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デンマークといえば、福祉国家(というイメージ)。そして、人口は550万人という小さな国。そのデンマークの国会議員が渋谷の野宿者の状況を視察にやってきました。行政から話を聞いても仕方ないと渋谷の支援団体「のじれん」に連絡があったという。彼らは、社会福祉部会、のようなチームらしく、総勢14名ほど。会ってみて、驚いたことは、国会議員というから背広を着たおじさんたちがくるのかと思っていたところ、全く違ったこと。半数以上が女性であり、みなさんカジュアルな格好をしていて、議員くささが感じられません。
キルビル(タランティーノ)の中に出てきたということで決めたという和食レストランで、日本の野宿者の概況のレクチャーを受けてから、ナイキ化された宮下公園の状況を見て、その後エノアール(ぼくのテント前)へ。ちなみに、デンマークでは、5千人ものホームレスがいるとのこと。一見、人口比では多く見える。(たとえば、2013年厚労省調査では、日本のホームレス数は8265人。ただし昼間の目視調査)しかし、欧米と日本ではホームレスの概念は異なっており、デンマークのこの数は、自分で借りたり持っている住居がない、という意味。たいていは施設に入っている。路上にいる人は、アルコールやドラッグに依存している中高年らしい。 さて、エノアールでは、渋谷で野宿している人、堅川(江東区)のテント村の人、野宿者支援をしている人などが、デンマーク議員団を迎えた。合計30名以上になり、エノアールはぎゅうぎゅう。お茶をくばって、議員団から物物交換の品をいただいた。待ち受け側の人たちに自己紹介をしてもらい、質疑応答をした。質問は、病気になった時にはどうするのか?(渋谷や新宿など一部の区では、役所に行けば、医療保護が受けられ特定の病院に無料で行くことが可能である。しかし、江東区などでは無理。)新しくテントをつくることは出来るのか?(公園管理センターがうるさくて難しい)エノアールで食事を出しているのか?(出していない。酒も出していない)など。 堅川の方が、よく通る大きな声で「行政からいじめられても、つながりあって闘っている。負けない。」というようなことを言った。これは、我が意を得たりという感じがした。というのは、デンマークの状況と異なる日本の野宿者の状況から、彼らに汲み取ってほしい(あるいは汲み取ることが可能なのは)、いかに悲惨な状況にあるかという説明や行政の非道よりも、ぼくたちがいかにここで生きているのか、そういうつながりや知恵みたいなことだと感じていたからだ。Iさんも、野宿の女性たちで作っているノラという素敵な布ナプキンの説明をした。そして、最後に記念撮影。議員団のリーダー(女性)は、「貴重な時間をつくってくれてありがとう」と言った。ぼくもまた、さきほど書いたようなこと、助け合いやつながりの中で生きている、と言葉を返した。 (たぶん)涼しいデンマークから飛行機でやってきたばかりの議員たちは、暑さのせいかいささかぐったりしていたし、また、日本のホームレスのことに心底興味や関心を持った人も少ないと思う。時間がなくて、ゆっくり話すという感じでもなかったが、少しでも伝わるものがあったら良いのだが。 議員団の帰ったエノアールは、彼らの持ってきたデンマークのビスケットを食べたりしながら、のんびりとした時間に戻った。
by isourou1
| 2013-09-05 23:53
| ホームレス文化
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