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バサっとテント近くで物音がした。犬の小さな鳴き声が遠ざかった。深夜12時すぎ。きたな、と思ったぼくは、懐中電灯片手にテントを飛び出し自転車に乗った。指が切れるほど寒い。眼圧を高めて見回すが、公園にも門の外にも人影はない。 今朝のことである。テントのわきに2、3日おちていたビニール袋を取り上げてみた。あんパンか何かが入っているようだ。カラスがくわえてきたのかもしれない。しかし、もう1つ、前から落ちていた袋を取り上げて、気がついた。あれだな。2年半前から、1つのテントの目がけて執拗に捨てられてきたというあれ。縛られたビニール袋をあけてみると、紛れもなく枯れ葉にまみれた犬のフン(みたいな)ものだった。それほど臭くはない。このような正体不明な悪意を投げつけられると、気持ちが落ち着かなくなるものだ。最近あったいろいろな出来事が気になってくる。かごの蓋に使っている段ボールの位置が、風のものとは思えない変な場所に置かれていたり、瓶のキャップが外れていたりして、微妙に変だと感じたことが、心にせり上がってくる。それらが無関係だとしても、神経が過敏になり不安になるのだ。このような悪意を持って生きている人間がいるということ自体によって、自分を支えている生への信頼にひびが入るのを感じる。しかし、おそらくは人を傷つけることに喜びを感じたりする人間が一定数いると割り切った方が実際的なのかもしれない。誰もがダークな部分を持っているが、それを乗り越えようとするのではなく、それだけを栄養にして生きる人は朝の光を穏やかに感じたりすることもないのだろう。 「相手は糞にまみれて生きているわけよね。かわいそうな人だなーと思ってね」とは、積年フンを投げられてきた人の言葉だ。去年の暮れからなくなったそうだから、標的はどうやらぼく(のテント)に移り変わったらしい。彼は、投げられる人よりも投げる人が悲惨だ、とも言っていた。そのとおりだと思う。ついでに言えば、そんな人間に飼われている犬も悲惨だ。 どうせ、しばらくは続くのだろう。ぼくは、相手を研究することにした。そう思うと何か気分が積極的になってきた。すでに分かったこともある。正体をきっと明らかにしてやるつもりだ。
by isourou1
| 2017-02-09 01:40
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