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世の中の不景気の影響は、テント村にもある。
昨年の夏には、1キロ152円だったアルミ缶の買い取り値段が、今は1キロ60円。来週からは、55円になると、缶集めのおじさんは肩を落としていた。 アパート移行事業に乗らずにテントに残った人の理由として、アパートに移ったら缶集めができないから(失業するから)、というものがあり、そのために以前と比べて相対的に缶集めに従事する人の割合が増えたので、それはテント村の雰囲気にも直結する。なんとなく、元気がない。 152円といういままでにない高値は(川崎とか中間業者を通さずに直接工場にもちこむところは200円くらいになっていたという話)、中国への輸出が主な原因らしく、北京オリンピックのせいでもあったらしい。それが、オリンピックが終わると1か月くらいは、152円だったが、除除にさがり、まだ下がるかもしれない。値段が下がったら、缶集めする人が減るかと思ったそうだが、むしろ増える具合で、取れる量は減っているらしい。それは、ホームレスでもできる仕事が他にあまりないせいだ。並びの仕事も減っているし、漫画や週刊誌などを集める仕事も売る場所が規制されて少なくなった。ぼくが、テント村に来たころは、キロ85円だったが、それよりも低く、しかもいきなり3分の1になったのは、やはり厳しそう。手で集める人は、多くて1日15キロだと言っていたし、自転車で集める人は30キロ。うちのテント村で一番集める人でも、週100キロにならないという。また、今は冬で、夏に比べて1か所にアルミ缶の出る量がずっと少ない。遠くまで回らないといけない。毎日やって週50キロしか集められない人は、米をやめて小麦粉を主食にしようかと言っていた。(一番やすくカロリーがとれるらしい。)。その人の今年の目標は「貧乏を楽しむ」だから、たくましいけど、涙ぐましくもある。 ホームレスでも出来る仕事が他にあまりない、というのは、規制されて奪われてきているということでもある。なにも、景気のせいばかりでもない。缶でも、世田谷区などは、持ち去り厳禁になって、ほとんど誰もやっていない。公園のそばの道では、毎週、本当にフリーな(場所代のかからない)フリーマーケットが開かれていたのだが、それも規制されて今はやれない。その場所には、赤いコーンが立ち並び、週末は警官が警戒している。そこで、行われていたのはフリーマーケットだけではない。屋台も、音楽演奏も禁止されてしまった。屋台は、正月さえ出せなかった。30年近く続いてきたことなのに。また、音楽演奏や簡単なレイブなども出来なくなり、公園は実に静かになってしまった。静かでいいと思う人もいるようだが、音楽も踊りも、人と人の間で起こる情熱であり、活気である。そもそもレイブなどは、公園の中で禁止したから、仕方なく公園のまわりの歩道に移行したのである。そういうことが、誰も反対の声をあげないまま、つぶされて管理の論理だけが独り歩きする。景気が悪い時こそ、公園を無料で活動できる場所として、なるべく開放していこうという発想は、ほとんどないようだ。 貧乏や景気が悪い、とかはぼくはそれほど問題とは思わない、そのことが同時に、管理されたり自由が奪われていくことを意味する、ということがより大きな問題ではないかと思っている。
by isourou1
| 2009-01-16 18:33
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