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いよいよ、テントが減ってきました。もう50軒あるかないかなのではないか。一年前には、350軒あったそうだから、7分の1になったわけです。隣近所もほとんどなくなってしまいました。エノアール(テント前のカフェ)に訪れる人も、すでにアパートに移った人が多くなった。そこで「最近、**はどうしてる?来るの?」とか、「最近、**は来ないなぁ、家で寝てるんだろ」とか、お互いの情報をやり取りする場にもなっている。
管理事務所が、「地域生活移行事業」終了に伴い、一斉清掃時のテント小屋の一時解体の徹底を図る、と言ってきている。一斉清掃というのは、月に一回ある「管理事務所主催のイベント」で、その内容は、テントや小屋を畳んで、荷物を整理し、ゴミを出せ、というもの。ぼくが、住みはじめてからは、ほとんど2,3人を除いては、畳む人はいなかった。一応、多くの人はテントの周りを掃除したりするぐらいで、ぼくもカフェの椅子をしまったりはしていたが、それ以上はしなかった。そうすると、管理事務所の人たちが、周ってきて、次回予定の告知の紙を手渡し、たまに、「次回は畳んでくださいよ」というのに生返事をする、という行事だった。(不在の小屋には、告知の紙を貼り付ける)。しかし、ここ数ヶ月、管理事務所側で勝手に一時解体をする場合がある、などといい強行になってきた。そもそも、移行事業が終わったからといって、なぜ一時解体を徹底するのか、その二つは本来関係ないことではないのか。そして、今回、本人の許可なく、事務所が数箇所のテントのシートをはがした。その一つが、ぼくたちのテントだった。 人数が多かった。いつもの警備員の姿は見当たらず、白っぽい作業服に身をつつんだ管理事務所の所長や課長、吉田という名前の東京都の職員(だと思う)他、見慣れない人びと。その後ろには公安だと思われるカメラを携帯した青っぽい服装の人。20名くらいいた。かなりのスピードで移動しながら、周ってきている。猫を飼っている女の人は、涙目になって、なにごとか訴えていた。(後で、怖かったわぁ、テント壊されるかと思ったわ。集団でドカドカやってきて、と言っていた。)ぼくのところへやってきて、課長が「畳んでないじゃないの。畳みなさいよ。」。「無理ですよ。」というと、「後でまた周ってくるから。それまでに畳みなさいよ」。「無理だって言ってるでしょ。出かけるよ。」というと「じゃあ、こちらで畳みますから」。「そんなことできるんですか。」というと、所長が「できるんだよ!」。「良くないんじゃないですか。」「出来るんだよ!」を繰り返す。所長はなぜかいつもすぐに激昂する。こちらがていねいにしゃべっていても「おまえ!」とかいう口調。後で、来るということだから、ぼくは、テント前で体操しながら、待つことにした。その時、怒声が聞こえた。行ってみると、0さんのテントの骨組みがむき出しになっていた。中の荷物は丸見えだ。「人権があるんだよ!。」「夜寝る時どうするんだよ!」「雨降ったらどうすんだ!」の声を無視して、事務所連は次に向かっていた。0さんは不在で、何の断りもなく乱暴に剥がしたのだった。Oさんの長細いテントが、鯨の骨の標本のように、ポールだけを残した無残の姿になった。しばらくしてやってきた事務所連は、芝生の上に座って体操しているぼくをぐるりと取り囲んで「畳んでないじゃないか」。ぼくは、反論。「畳め、畳め、っていうだけで、なんの理由も説明なしじゃないですか。なんのために畳むんですか。」「ルールなんだよ!!」と所長。「だからそのルールの理由を聞いているんじゃないですか。理由のないルールなんですか。根拠はあるんですか。」所長「だから、そもそも公園に固着物を作るのは駄目なんだよ。でも、作ってしまっている現実があるから、一時解体しろっていって」。その時、後ろで誰かが何かを言った。「俺がしゃべってるんだよ!。」と所長激昂。吉田が「衛生的じゃないでしょ。ネズミとかが、走ってきたりしたら、来園者の方がびっくりするでしょ。だから、一度解体して、ネズミを追い出してもらう。」。「そんなことするより、殺鼠剤配ったほうが、効果的じゃないですか。」事務所側のだれかが「何で、都がそんなことしなくちゃならないんだ。」。所長が「なにが原因だか考えろよ。」課長が「ここで見ているから、自分で解体してください」。ぼくが動かないと見ると「じゃあ、こちらでやりますから」と言ったかと思うと、全員すごいスピードでテントに向かいだす。小屋の上に張っているブルーシートをはがしだす。非常に屈辱的だ。「やめろよ!」と叫ぶものの、作業する手を緩めない。「本人がやめろっていってるだろ」と支援団体の人が言っている。と、押されたらしく、支援団体の人が倒れた。(焚き火用の穴に落ちてしまった)。しばらくもみ合いが続く。シートが剥がされ、小屋が丸見えになった。「もういいじゃないですか!」とぼく。しばらくして「作業やめ」と所長。去り際、吉田と課長が寄ってきて「分かるでしょ。英字新聞にも載っていたじゃない。」(エノアールの記事が2月頃の朝日イブニングニュースに載った)。課長が「こんな写真がのって」と手を広げる。「せっかく取り上げてもらったんだしさ、もっと穏便してくださいよ。傍若無人なことはやめてさ。」と吉田。あっけにとられた。「どっちが傍若無人なんですか。」というと、バタバタと去っていった。ブルーシートはその場で、隣人に手伝ってもらって直した。 今、公園のテントの近くでは、梅が満開です。そして、もうすぐ、桜の季節。花見の話題がエノアールでは、チラチラでています。ぼくが思う以上に、みんな花見を楽しみにしている様子。
by isourou1
| 2006-03-10 20:28
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